育成就労の監理支援機関は「外部監査人の設置」が許可要件に

就労ビザ

2027(令和9)年4月1日に育成就労制度が始まります。育成就労制度とは、現行の技能実習制度を発展的に解消し、人材育成と人材確保を目的とする制度です。

技能実習制度よりも特定技能制度との連続性があり、日本で働く外国人がご自身のキャリアアップを描きやすい制度だと、私は思います。

さて、育成就労外国人の保護・支援を行うのは監理支援機関です。

監理支援機関は許可制です。技能実習制度の監理団体も監理支援機関の許可を受けなければ監理支援事業を行うことはできません。

そして、許可基準は、技能実習制度の監理団体よりも厳しくなっています。

今回のブログでは、2025年(令和7)12月26日に更新された「育成就労制度Q&A」を参考に、「育成就労」制度において監理支援機関の許可要件の一つとなった「外部監査人の設置」についてまとめました。

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育成就労制度の運用開始と関連日程

まずは、育成就労制度の運用開始と関連日程からチェックしますね。

昨年、2025年12月26日に更新された「育成就労制度Q&A」を参考にします。

従来の周知通り、育成就労制度は2027(令和9)年4月1日に実施される予定です。

Q3:育成就労制度の運用開始と特定技能制度の改正がスタートするのはいつですか?
A:育成就労制度の運用開始と特定技能制度の適正化等の施行日は令和9年4月1日です。なお、令和8年4月15日から監理支援機関の許可、同年9月1日から育成就労計画の認定に係る施行日前申請を受け付けることを予定しています。
(育成就労制度Q&A)

入管のホームページによると、

今年2026(令和8)年4月15日から監理支援機関の許可。

そして、9月1日から育成就労計画の認定に関係する施行日前申請を外国人技能実習機構で受け付ける。

なども予定されているんですね。

育成就労制度に係る施行日前申請

外国人技能実習機構のHP「育成就労制度について」

監理支援機関の許可は技能実習制度の監理団体も必要か?

ところで、育成就労機関をサポートする「監理支援機関の許可」についてです。

上記しましたが、技能実習制度の監理団体は、そのまま監理支援機関になることはできません。以下にある通り、新たに許可を受ける必要があるのです。

Q28:技能実習制度の監理団体は、育成就労制度でもそのまま監理支援機関になることができますか?
A:監理団体が監理支援機関として育成就労制度に関わる業務を行うためには、新たに監理支援機関の許可を受ける必要があります。
(育成就労制度Q&A)

非営利団体が一定要件を満たし、新たに主務大臣の許可を取り直さなければならないのです。その上で、「監理支援機関」になれるということですね。

監理支援機関の許可基準は?

次に、育成就労制度の「監理支援機関の許可基準」を見てみます。

どんなことがあるのでしょうか? 

Q29:監理団体の許可基準よりも監理支援機関の許可基準の方が厳格になったということですが、具体的に何が変わったのですか?
A:監理支援機関の体制に関する許可基準として、
 ・外部監査人を設置していること。
 ・債務超過がないこと。
 ・監理支援を行う受入れ機関(育成就労実施者)の数が原則として2者以上であること。     
 ・監理支援事業の実務に従事する常勤の役職員が2人以上であり、かつ、監理支援を行う受入れ機関(育成就労実施者)の数を8で割って得た数を当該役職員の数が超えており、監理支援を行う育成就労外国人の数を40で割って得た数を当該役職員の数が超えていること。
 等の要件を新たに設けています。
(育成就労制度Q&A)

さて、今回のブログで注視したいのは、「外部監査人を設置していること。」です。

上記Q29、「許可基準」の一つに「外部監査人を設置していること。」としっかり明記してあります。

では、現行の技能実習制度ではどうなのでしょう?

技能実習制度の技能実習制度運用要領【監理事業の概要】(法第25条)P192を確認すると、「外部役員の設置又は外部監査等の措置を講ずる必要があります。」とあります。

技能実習制度では、外部役員の設置か、又は外部監査等の措置を選択することできました。

ですが、育成就労制度になると、選択の余地なく「外部監査人の設置」が絶対条件となっています。

育成就労制度の「外部監査」を、従来の技能実習制度より厳格化したと言えます。

監理支援機関業務の中立性を担保するために、監理支援機関を実質的に監査する第三者の独立性、中立性がより一層求められます。

その為、「外部監査人の設置」を義務付けたということでしょう。

全ての監理支援機関は、外部監査人の措置を講じていなければ、主務大臣から許可を受けることができなくなりました。

外部監査人の要件とは?

それでは、続いて、外部監査人の要件はどのようなものがあるのかを見てみます。

Q30:外部監査人となるための要件には、どのようなものがありますか?
A:外部監査人となるための要件として、
 ・養成講習を受講していること。
 ・弁護士、社会保険労務士、行政書士の有資格者その他育成就労の知見を有する者であること。
 ・監理支援機関が監理支援を行う育成就労実施者と密接な関係を有さないこと。
 等の要件を設けています。
(育成就労制度Q&A)

この要件について以下、いくつかご説明します。

弁護士、社会保険労務士、行政書士の有資格者、どんな有資格者を選ぶか?

まず、外部監査人は、監査を公正に、かつ適正に遂行することができる資格・能力がなければなりません。

その資格要件となるのが、弁護士、社会保険労務士、行政書士の有資格者(これらの法人)と明記されています。

また、有資格者の他には、「その他育成就労の知見を有する者であること。」とあります。この「その他育成就労の知見を有する者」に当たるのは?

例えば、
「出入国又は労働に関する法令を研究している大学教授等、高度な知識・経験を有していると客観的に評価のできる者」など。

例に挙げられているのは、客観的に見てかなりの知識や経験がある方ですね。

そう考えると、上記の「弁護士、社会保険労務士、行政書士の有資格者(これらの法人)」とありますが、「資格」があるだけの「有資格者」がでは「外部監査人」業務をこなすには厳しいと考えられます。

それでは、弁護士、社会保険労務士、行政書士の有資格者であれば、どんな有資格者を選ぶべきか?
についてですが。

それは、技能実習制度関連の業務経験がある「有資格者」が良いです。

技能実習制度関連の業務経験がある「有資格者」が良い

有資格者を選ぶ場合、技能実習制度関連の業務経験がある「有資格者」が良いです。

例えば、技能実習の申請書類作成経験がある、入国後講習講師の経験がある、監理団体への外部監査の経験がある、等です。

現場の技能実習生や技能実習生が働いている実習実施者等、現場との接触経験がある方ならなお、良いと思います。

育成就労制度は、「現行の技能実習制度を発展的に解消し人材育成と人材確保を目的とする制度」であるので、「技能実習制度」が引き継がれている部分が少なくありません。

技能実習制度の流れや仕組みが分かっていると「外部監査人」としての業務遂行に役立つと思います。

例えば、私は「行政書士」で、弊所では、上記のような技能実習生関連の書類作成、入国後講習講師、監理団体の外部監査人の経験があり、「外国人の就労ビザ」に特化しています。

ですので育成就労制度の関連業務でお役に立てます。

行政書士等の専門分野を確認する

ところで、「行政書士」でも、専門分野があります。

「外国人のビザの仕事をしている行政書士(申請取次行政書士)」でも、技能実習制度や育成就労制度の「外部監査人」業務に詳しくない行政書士の方もいます。

例えば、就労ビザの「技術人文知識国際業務ビザ」、「特定活動ビザ」、「経営・管理ビザ」などが専門の行政書士の方がいます。

また、外国人の方が日本人と結婚するというような、個人に関するビザ(日本人の配偶者、永住者、定住者など:「身分系ビザ」)。それらを専門にしている行政書士の方もいます。

ですが、もしかしたら、その行政書士は「技能実習ビザ」や「特定技能ビザ」の経験がない方かもしれません。

つまり、「外国人のビザを扱う行政書士」一つとっても、得意分野がいろいろあります。ですので、どの分野が専門なのか確認しておくのが安心です。

監理支援機関の外部監査人には独立性の徹底と一層の中立性が必須

次に、外部監査人は、育成就労実施者と密接な関係があってはならないという要件もあります。

例えば以下のような
・過去5年以内に傘下の育成就労実施者の役職員
・監理支援機関が監理支援を行う育成就労実施者と顧問契約を結んでいる弁護士
などは外部監査人になれません。

また、外部監査人は、その外部性を担保しなければならない為、

以下のような、
・ 監理支援機関の現役又は過去5年以内の役職員
・監理支援機関又はその役職員若しくは監理支援機関の構成員と社会生活において密接な関係のある方、配偶者や親族など

も、外部監査人にはなれません。

つまり、育成就労制度の外部監査人は、密接な関係者が形式的に就任するのではなく、「実質的に独立している」ことや、「どの関係者側にも寄らない中立性」が必要です。

それはそうと、その他の要件では、過去3年以内に「外部監査人に対する講習」を修了していることも必須ですね。

育成就労制度の監理支援機関は「外部監査人の設置」が許可要件に:まとめ

さて、今回のブログでは、2025年(令和7)12月26日に更新された「育成就労制度Q&A」を参考に、以下、まとめました。

・育成就労制度は2027(令和9)年4月1日に実施予定。 
・令和8年4月15日から監理支援機関の許可、9月1日から育成就労計画認定の施行日前申請受付。
・現行の技能実習制度監理団体は、新たに監理支援機関の許可を受ける必要がある。
・監理支援機関の体制に関する許可基準として、外部監査人を設置しなければならない。

そして、外部監査人となるための要件として、以下についてご説明しました。
外部監査人はどのような方が良いのか?

・技能実習制度や育成就労制度に詳しい弁護士、社会保険労務士、行政書士 
・育成就労実施者や監理支援機関の構成員等と密接な関係がない
・過去3年以内に「外部監査人に対する講習」を修了している 

方が望ましいということでした。

育成就労や特定技能の関連業務で当事務所がお役に立てます

ところで、上記致しましたが、当事務所は上記の通り、技能実習生関連の書類作成、入国後講習講師、監理団体の外部監査人の経験があります。

また、「外国人の就労ビザ」(「経営・管理ビザ」除く)に特化しています。
ですので、育成就労制度や特定技能制度の関連業務でお役に立てます。

どうぞ、お気軽にお問合せ下さい。

今回のブログが少しでもお役に立てれば大変嬉しいです。